IUIピックアップ

IUIピックアップ VOL.22

「愛される建築」とは何かを考える

インタビュー

大西 麻貴[建築家/ Y-GSA教授]

大西麻貴先生が「山形市南部児童遊戯施設 シェルターインクルーシブプレイス コパル」にて日本建築学会賞(作品)を受賞、また「第18回ヴェネチア・ビエンナーレ 国際建築展」(2023年5月20日〜11月26日)では、日本館展示のキュレーションを担当されました。ご自身が掲げる「愛される建築」をテーマに、ヴェネチア・ビエンナーレでの試みや土地の時間と繋がる建築のこと、さらにはY-GSAの中で独自に取り組まれている「読書会」についてお話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.21

ロシア思想史から読み解く
世界の見方と思考

インタビュー

大須賀 史和[ロシア思想史/都市地域社会コース教授]

大須賀史和先生はロシア連邦を主なフィールドに、20世紀前半の哲学や倫理学を中心とした思想史について研究されています。とりわけ哲学者アレクセイ・フョードロヴィチ・ローセフ(1893-1988)が残した多岐に渡る思想や言説をベースに、現実世界の捉え方に関する考察を展開されています。当時ローセフが唱えた思想は、私たちの生きるこれからの世界とどのように結び付いているものなのか。ドストエフスキーやチェーホフなど、分野の垣根を越えたアプローチとともに、近現代のロシアに生きている宗教哲学とその多様性についてお話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.20

鈍感力
自然に謙虚に向き合いながら鋼構造の安全性を考える

インタビュー

松本 由香[鉄骨構造、構造性能、耐震性能、終局挙動/建築都市文化コース教授]

松本由香先生は、鋼構造の耐震設計を中心に研究をされています。鋼構造は、コンクリートなど他の材料と比べても、どれくらい傷みが進んでいるのかが見た目でわかりにくい構造です。鉄骨の建物が被災してしまった際など、その構造骨組がどの程度の耐力が残っているのか、現地調査に基づいて診断できるようにできないかと日々研究されています。また、研究をする中で最も重要なことは、実物に触れることだという話をしてくださいました。

IUIピックアップ VOL.19

マイノリティの視点から見る、
変容するメディアとオーディエンス

インタビュー

須川 亜紀子[2.5次元文化論、ジェンダー論、オーディエンス/ファン研究/建築都市文化コース教授]

社会の高度な情報化に伴い、多様な文化が生まれる可能性が広がった一方で、現実と虚構の境界が曖昧になっている現在。都市や文化、そして人々は数多くのメディアとともにどのように変容しつつあるのか。「魔法少女」テレビアニメの表象・オーディエンス分析を通じて、大衆文化と人々の関係を多角的に論じた『少女と魔法』の著者である須川亜紀子教授にお話を伺った。

IUIピックアップ VOL.18

地盤の応答を捉える、土のモデルの最前線

インタビュー

菊本 統[地盤力学/都市地域社会コース、IGSI教授]

菊本統先生は、土や岩など地盤の変形や破壊を調べ、その応答を予測する研究をされています。その研究は多岐に渡っています。地盤は過去に受けた変化を記憶する材料でもあるため、歴史を知る手がかりでもあるといいます。研究の際に大切にしていることなど、お話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.17

人間の場所をつくること
―これからの都市と建築、あるいは文理融合とともに

インタビュー

西沢 立衛[建築家/Y-GSA教授]

都市イノベーション学府・研究院は、2011年のスタートから今年で11年目* (YEARBOOK2021-2022掲載時)を迎えました。設置当初から都市を大きなテーマに掲げ、理論と実践、文理融合を試行錯誤してきています。国内外を問わず多くの都市と向き合い、数多くの建築作品に携わってこられた西沢立衛先生の目には、一体どのような都市像が次なるビジョンとして立ち現れているのか。都市イノベーションの次の10年に向けて、これからの都市や建築、文理融合の可能性、そもそも「人間の場所」とはどうあるべきなのか、ということについてお話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.16

都市の歴史を追体験すること

インタビュー

辻 大和[アジア史、朝鮮王朝史/都市地域社会コース准教授]

辻大和先生は前近代の朝鮮半島と東アジアをフィールドに、生物と文化がもたらす資源的観点を基軸とした歴史学の研究をされています。どのような方法を通して過去の歴史を追体験し、これからの歴史学研究を進めていくことが可能となるのか。ショートビジットによって発見可能な都市の歴史を踏まえ、日々の教育の現場で生じているアナログとデジタルの諸問題についてお話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.15

風が気持ちいいと感じる場を
−サステイナブルな建築環境のあり方

インタビュー

田中 稲子[建築環境工学/建築都市文化コース教授]

田中稲子先生は自然エネルギーを利用した環境共生型の建築をベースに、居住者の健康や快適性と建築環境の関係性に関する研究をされています。またヒートショックなど、高経年化した都市郊外の集合住宅が抱える課題などに対しても、フィールドワークや他の専門分野の関係者との協働を通じて実践的に取り組まれています。今回はサステイナビリティに準拠した建築物の事例とともに、「木の家スクール名古屋」での経験を通じて得た建築の持続可能性についてお話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.14

バーバリアン、あるいは都市の未開の状態

インタビュー

彦江 智弘[フランス文学/Y-GSC教授]

彦江智弘先生は、毎年、学生とともにZINEをつくるワークショップのために福島県の西会津町にあるBarbarian Booksを訪れています。そこでどのようなことを行い、どのようなことを考えるに至ったのか。そして、都市から離れることで逆に都市についてどのようなことを見出すことができるのか。お話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.13

交差点から都市を考える

インタビュー

田中 伸治[交通工学、交通マネジメント、ITS(高度交通システム)/都市地域社会コース、IGSI教授]

田中伸治先生は専門の交通工学をフィールドに、交通における安全性や円滑性の向上を実現すべく、既存のインフラを最大限に活用した運用マネジメントの研究をされています。今回は2000年以降にアメリカで生まれた「オルタナティブ・インターセクション」(代替交差点)の話題を中心に、国内への導入に向けた具体的な取り組みと課題、さらには交差点が都市にもたらすオルタナティブな視点についてお話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.12

建築家と共につくるまちづくりの形

インタビュー

乾 久美子[建築家/Y-GSA教授]

2020年の建築学会賞(作品)に本学府・研究院Y-GSAの乾久美子教授が全体のデザイン監修と複合施設などの設計を手がけた〈延岡駅周辺整備プロジェクト〉が選ばれた。2011年に開催された延岡市による監修者選定プロポーザルからおよそ9年。行政や関係事業者、そして延岡市民とのあいだでプロジェクトはどのようにして進められてきたのか。その過程で乾先生が見出した面白さや工夫、そしてまちづくりに建築家として果たしていくべき役割についてお話を聞くことができた。

IUIピックアップ VOL.11

身近な自然を再び暮らしとつなげる

インタビュー

佐藤 峰[国際開発学、社会人類学、コミュニティデザイン(ラテンアメリカ・日本)/都市地域社会コース准教授]

佐藤峰先生は日本やニカラグアをフィールドに「定常のコミュニティデザイン」について研究・実践されています。途上国でもまた日本の地方でも開発が当たり前でなくなった時代に、これからの社会はどのようになっていくのか。いま自然との関わりはどうあるべきなのか。里山をキーワードにお話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.10

防火帯建築から見る、都市居住空間のこれから

インタビュー

藤岡 泰寛[建築計画、ハウジング、都市住宅、住生活、福祉のまちづくりの研究/建築都市文化コース准教授]

2020年に刊行された藤岡泰寛先生による編著『横浜防火帯建築を読み解く:現代に語りかける未完の都市建築』(花伝社、2020年)が、「2020年度都市住宅学会賞」の著作賞を受賞しました。今回は著書にも取り上げられている防火帯建築から「ミクストユース」、「アーバンユニット」といった概念をキーワードに、いまもなお横浜のまちに存在する防火帯建築とまちに住む人々の活用の動き、さらには防火帯建築が都市にもたらす可能性や今後の研究に向けたビジョンについてお話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.9

かたちは思考する

インタビュー

平倉 圭[芸術学/ Y-GSC准教授]

本学Y-GSC所属の平倉圭先生の『かたちは思考する - 芸術制作の分析』(東京大学出版会)が刊行されました。この本で扱っている芸術の範囲はセザンヌ、ピカソなど西洋近代美術の王道から、屏風、写真、ダンスなど多岐に渡ります。また、芸術を考える際に様々なキーワードが提出されています。いまどのようなことに関心があるか。お話を伺いました。

IUIピックアップ VOL.8

時代に対応できる都市づくり

インタビュー

前川 宏一[コンクリート工学、耐久性力学、維持管理工学/元・教授]

前川宏一先生は素材と構造の両面からコンクリートの材料開発や維持管理などの研究をされています。コンクリートの寿命は、非常に長いものだと考えられています。長く維持するためにはどのようなことが研究されているのでしょうか。時間を経てコンクリートはどのような変化をしているのでしょうか。外側から見ているのではわからないことがそこでは起こっています。また、これからのインフラはその時代時代に合わせた柔軟な姿が必要だともいいます。

IUIピックアップ VOL.7

研究と批評

インタビュー

福尾 匠[現代フランス哲学、芸術学、映像論/Y-GSC博士課程後期修了・博士(学術)]

本学博士課程後期に在学する(*掲載時)、福尾匠さんが初の単著となる『眼がスクリーンになるとき-ゼロから読むドゥルーズ『シネマ』』(フィルムアート社)を刊行されました。本を出版するまでの経緯、そしていま関心のあることなどを伺いました。

IUIピックアップ VOL.6

土地の時間とつながる建築

インタビュー

大西 麻貴[建築家/Y-GSA教授]

大西麻貴先生は「Good Job! Center KASHIBA」が第2回日本建築設計学会大賞受賞とグッド・デザイン賞のベスト100に選ばれ、多賀町中央公民館や尾道市御調支所庁舎のコンペでも最優秀賞を受賞されるなど、近年多くの賞を受賞されています。近年の仕事について、そして関心を持たれている「土地の時間とつながる建築」とはどういうことなのか、お伺いしました。

IUIピックアップ VOL.4

東京湾の生態系

インタビュー

中村 由行[水工学・土木環境システム/元・教授]

中村由行先生は東京湾の水質や水生物などの研究され、まさに生態系を専門分野とされている。人間にとって不可欠である水環境やその生態系をいかにして回復してゆくのか、そしてこれから求められる東京湾の姿とはどのようなものなのか。その将来像はこれから目指してゆく方向によって変わってゆくものだという。

IUIピックアップ VOL.3

地形に刻まれた痕跡が
私たちに教えてくれること

インタビュー

小長井 一男[地震工学、地盤防災工学/元・教授]

地震工学、地盤防災工学をご専門とされている小長井一男教授は、直面する災害のみならず、過去に起きた出来事や今に受け継がれている事柄から地形の変化を捉えて、地盤にまつわる研究を行っている。現在の研究方法に至った経緯や研究内容などを中心にお話を伺った。

IUIピックアップ VOL.2

新たな知と実践を創造する
複眼的思考のために

インタビュー

藤掛 洋子[開発人類学/都市地域社会コース教授]

長年にわたってパラグアイを中心に研究と実践活動を行ってきた藤掛洋子教授が、このたびパラグアイ国会および大学から3つの賞を授与された。大学の研究室に留まることなく、開発人類学の研究者として、また特定非営利活動法人ミタイ・ミタクニャイ子ども基金代表理事として現地の開発支援や教育活動に取り組んできた藤掛洋子教授に、現在のパラグアイの問題、そしてこれからの社会をつくっていくための問題意識とヴィジョンについて、お話を伺った。

IUIピックアップ VOL.1

世界とつながる、
実践的教育の試み

インタビュー

田才 晃[地震工学、地盤防災工学/名誉教授]

本学の田才晃教授が他大学とともに共同で開催している「国際トラスコンテスト」が《日本建築学会教育賞》を受賞した。国内・海外の大学と合同で行われるこのコンテストは、インターネット中継を利用しながら、それぞれの大学が作成した「トラス」の耐久性能を競うというもの。実践的な知識と技術が求められるこのコンテストの概要と教育的な意義について、田才晃教授にお話を伺った。