学府概要・教育プログラム

都市イノベーション研究院・学府は横浜という都市をプラットフォームとする、日本で初めての文理融合型の都市をテーマとする画期的な大学院です。

「都市イノベーション学府・研究院」とは

実践的学術の国際拠点を目指す横浜国立大学では、「都市」をテーマとする新しい大学院「都市イノベーション学府・研究院(IUI/ Institute of Urban Innovation, Yokohama)」を平成23年4月に開設しました。建築、芸術、土木工学、国際社会、等を専門とする大学院生が各々の探求を深めながら、最終的に「都市」という領域で協働する、日本で初めての大学院です。(都市イノベーション学府・研究院のうち、学生の所属する場所を学府、教員が研究する機関を研究院と呼んでいます。)

都市イノベーション学府・研究院を開設したのは、21世紀の人類が取り組まなくてはならない大きな課題として都市があるからです。例えば、都市圏の巨大化による環境やエネルギーの問題の深刻化。世界各国の都市における政治・経済・文化の価値の混迷。高齢化や少子化や過度な情報化に伴う問題。中規模・小規模都市における人口や活動の流出や、これに伴う都市自体の縮減。新興国や開発途上国の急激な経済成長や産業構造変化に伴う、社会基盤や生活基盤の量的・質的な充足の問題。都市にまつわるさまざまな課題を私たちは抱え、またそうした課題に応える都市のイノベーションを要請されています。

このような背景のもと都市イノベーション学府・研究院では、建築学・土木工学という都市のハードに関わる分野と、人文・社会科学、国際社会や文化・芸術などソフトに関わる分野の双方で、実践性を備えた高度専門家の育成を行います。そのために、双方の分野を横断的に学ぶこともできる多面的な研究環境を提供していきます(主に博士課程前期)。そして最終的には、都市のイノベーションというテーマに対して多様なアプローチを実行する能力を持ち、グローバルに通用する次世代リーダーの養成を目指していきます(主に博士課程後期)。

研究院長からのメッセージ

都市イノベーション研究院・学府は、都市が抱える様々な課題に対応するため、横浜・神奈川の大都市をフィールドとし、グローバル・ローカル、文理融合の理念のもと教育、研究を展開することを目的として、2011年4月に開設され、2021年4月で設置10年の節目を迎えることとなりました。人文科学、社会科学、建築学、土木工学を母体とし、理念を達成するために、博士課程前期は文理一体の二専攻(建築都市文化専攻および都市地域社会専攻)、博士課程後期は一専攻(都市イノベーション専攻)のユニークな組織となっています。建築、都市文化、都市基盤、共生社会などの都市に関わる研究をサステナビリティ(持続可能性)とクリエイティビティ(創造性)という観点から総合・集約させ、特に博士課程前期では、都市の中に多様なイノベーションを生み出し、都市の自律的で継続的な発展をめざす高度専門職業人を養成すること、また、博士課程後期では、都市のイノベーションについてのグローバルで多彩な視点を備えたリーダーとなるような人材を養成することを目的としています。
 今日、都市は過密、環境、自然災害、エネルギー、少子高齢化、貧困などの多くの危機や喫緊の課題を抱えています。さらに、現在、我々は「新型コロナウィルス感染症」という新たな課題にも直面しています。イノベーションによって支えられてきたグローバル化を真っ向から否定する事態が生じています。一方で、ICTを駆使することで困難な状況を克服しようとしています。また、ハード面のみならず、新たな価値観を創出しようとするソフト面でもパラダイムシフトが始まっています。
 設置後10年を経て新たなステップを踏み出す都市イノベーション研究院・学府は、このような時代に遭遇しつつも、Society 5.0やSDGsといった新しい社会の動向を見極めつつ、グローバル・ローカル、イノベーションの創出、文理融合に関わる研究・教育のさらなる発展を目指します。

都市イノベーション研究院長

勝地 弘

「都市イノベーション学府・研究院」の設立の背景

都市イノベーション学府・研究院を開設したのは、21世紀の人類が取り組まなくてはならない大きな課題として「都市」があるからです。例えば、都市圏の巨大化による環境やエネルギーの問題の深刻化。世界各国の都市における政治・経済・文化の価値の混迷。高齢化や少子化や過度な情報化に伴う問題。中規模・小規模都市における人口や活動の流出や、これに伴う都市自体の縮減。新興国や開発途上国の急激な経済成長や産業構造変化に伴う、社会基盤や生活基盤の量的・質的な充足の問題。毎年頻発する大震災や気候変動の影響、COVID-19などのパンデミックによって都市の在り方そのものについて根本的に考える必要がでてきています。
また、「都市」は、人類の文化を育むプラットフォームでした。音楽・詩・文学・演劇・舞踊・絵画・写真・映画・彫刻・建築などあらゆる芸術文化は古来より都市の成り立ちと不可分の存在でした。
またアニメ・ポップミュージック。漫画などのサブカルチャーも都市との深い関係によって育まれてきています。都市を通じて芸術文化を根本的に考えることで、新しい芸術文化の可能性を切り開くことに繋がります。
都市にまつわるさまざまな課題を私たちは抱え、またそうした課題に応える研究や実践のイノベーションが要請されてると言えます。

このような背景のもと都市イノベーション学府・研究院では、建築学・土木工学という都市のハードに関わる分野と、人文・社会科学、国際社会や文化・芸術などソフトに関わる分野の双方で、実践性を備えた高度専門家の育成を行います。そのために、双方の分野を横断的に学ぶこともできる多面的な研究環境を提供していきます(主に博士課程前期)。そして最終的には、都市のイノベーションというテーマに対して多様なアプローチを実行する能力を持ち、グローバルに通用する次世代リーダーの養成を目指していきます(主に博士課程後期)。

都市イノベーションの教育プログラムの特徴

文理を横断した「知」を身につける教育

都市イノベーション学府・研究院では、異なる学問領域を学んできた学生たちが、一緒に「都市」について考えていく、横断的な対話の場、学びの場を多数用意しています。
自身の専門性に軸足を置きながら、他の研究領域に知的関心を持つことで、研究内容を拡張していくこと。領域を横断することで得られる視点から、自身の研究領域を違う角度で深く堀っていくこと、そのような横断的な「知」の実践は、価値観が多様化し、その在り様が変容し続けている現代の都市を考える上で、最も重要な素養となります。

国際的な「都市」研究を身につける教育

都市イノベーション学府・研究院では、「都市」を巡る様々な国際的な議論に触れることができます。
自然災害の脅威が増していく中でインフラストラクチャーをどのように維持管理していくべきなのか、開発援助についての対話型の計画立案手法、国際都市における国籍概念の融解と実存的な場を求める移動について、芸術を通じた地域コミュニティの再生、地域社会圏思想、都市の基盤たる大地と身体についての考察を深めていく新しい芸術、ファベーラやスラムを巡る研究、地域の暮らしが編み込まれていくような有機的な建築など、広い視点から「都市」という定義を捉えなおし、自身の研究にフィードバックさせていくことになります。

少人数による実践的教育プログラム

都市イノベーション学府・研究院では、コースを問わず、少人数制の実習・演習・研修を教育の柱に据えています。
事例研究やコースワークを重視した教育プログラムを導入することで、実践性を備えた人材を養成します。これは、「理論的知識を基礎としつつ、実務にそれを応用する能力が 身に付く体系的な教育課程」を目指す中央教育審議会答申「新時代の大学院教育」にも対応しています。

多様なバックグラウンドをもつ入学性が参加できることを念頭に置いており、したがって研究指導にあっては学生一人一人の修得分野や関心に応じて、きめ細かな履修指導を行います。さらに、社会に出た後のキャリア形成につながるように、実践的なプログラムを多数用意。入学から修了までのステップが明確であることも重視しています。

スタジオ教育制度

都市イノベーション学府・研究院では、講義・演習などの「座学」のみならず、手を動かし対話しながら共同で制作や調査を行う「スタジオ教育」を積極的に取り入れています。
スタジオ教育制度の特徴は、少人数・対話型による教員学生の有機的な教育単位を形成し、高度な実践教育が行われることにあり、学生間、教員間の相互批評・対話が活発に行われます。
また、研究室と異なるスタジオ教育による有機的な研究単位を持つことで、多様な研究領域にまたがる新しい学生のチャレンジを促す基盤になっています。
特に、次世代の建築家を育成する「建築都市デザインコース(Y-GSA)」では、スタジオ教育制度を、研究教育の組織単位として採用しており、組織の在り方自体を創造的に改革しており、日本の建築家教育の新しいモデルとして、日本建築学会教育賞を受賞しています。