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95しまいました。あと彼らがびっくりしていたのが品川駅の地下にできた巨大な自転車専用パーキングです。自動で出し入れできる仕組みにびっくりしました。私はまだ行ったことがないんですけど、YouTube で見せてもらったらすごいシステムなんです。デンマーク人は割と皆さん質素です。天気のいい日は広場で日光浴をするという国民性です。朝の通勤ラッシュは自転車のラッシュで昔の中国みたいですが、雨の日でも雪が降っても彼らは頑張って自転車に乗っています。水辺の建築アムステルダムと比べて、建物のファサードの色がカラフルだというのが大きな違いだと思います。それはなぜなのか私も分かりませんが、北欧は緯度が高い分、冬の日照時間が短く、恐らくそういった地理的なものが関係しているかもしれません。割と建物のファサードがカラフルなのが特徴です。帆船も結構泊まっています。デンマーク建築センターの前にはかなり大きな水路がありまして、今この両脇に集合住宅がどんどん建ち、開発されています。そのほか、もともとサイロと言われる食品貯蔵庫の建物をリノベーションして集合住宅にした事例もあります。近年建設ラッシュとなっており、バブルみたいにどんどん新しい建物が建っています。最近建てられたまさしくオランダ型のカナルハウスがありまして、実際にオランダの建築家がマスタープランのアドバイザーに入っています。私がコペンハーゲンで暮らしていたのが2006年から2008年でしたが、その頃はこのカナルハウスはまだ完成していませんでしたし、水路にもまだ水が通ってない状態でした。いまは居住者も入っていて住んでいます。このオランダ型のカナルハウスがあるエリアは、スルセホルメンと呼ばれています。ブラックダイヤモンドと呼ばれる国立図書館も、大きな水路に接して建てられています。また、飛び込み台を作って夏の間だけプール的に使うという施設もできています。アルネ・ヤコブセンが晩年に建てた国立銀行も水辺に建っています。またオペラハウスやシアターなどの文化施設も水路に接してつくられています。オペラハウスのほうが先にでき、その何年後かに対岸にシアターができ、文化施設が水を介してつながっており、水上バスでアクセスします。オペラハウスはこの間亡くなられた、デンマーク人のヘニング・ラーセンという建築家が設計しました。日本でいいますと丹下健三みたいな大御所の建築家です。結構いわく付きの建物でして、いろいろと設計変更を強いられ納得がいかなかった末に出来上がったため、完成の際のオープニングには本人は出席しなかったという話があります。私はこのあたりを散歩するのが大好きです。ところでアムステルダムでもそうですが、コペンハーゲンでも水路に面して柵を設けることはしません。日本なら「落ちたらどうするんだ」と危険防止のことをまず考えるでしょうが、ヨーロッパではむしろ人間を信頼しているのでしょう。柵は設けず、水と親しい関係性をつくり出しています。カストレットとクリスチャニア形成史の話に戻りますが、先ほども言いましたように1600年代にオランダから都市計画家を招き、軍事のための要塞を設けました。1700年代の時点でほぼ完成し、現在の街の基本構造となっています。当時つくられた、どう見ても人工的に作った水路のことを、デンマーク人は湖と呼んでいます。というのも、外海に通じてなく、閉じられた水路だからです。その年の冬がどれぐらい寒かったのかを、この湖が凍ったか凍らないかでデンマーク人は判断します。凍ると歩いて渡れるそうです。今はさすがに凍っても渡る人は居ませんが、「この年は寒かった」ということをいつも話題にしています。湖の両岸には気持ちのいい遊歩道があります。先ほど紹介しました要塞として作られた水辺空間は、大きく二つのエリアに分かれていまして、一つはクリスチャニアという、後で説明しますけれども特別自治区になっている場所です。あともう一つが、軍事要塞として作られた、カステレットです。カステレットといいますのは、1600年代にオランダの都市計画家を呼んだときに作った星形の要塞で、もともとの起源はイタリアの星形要塞です。オランダ型のルネサンス様式の建物はイタリアから来ていることもありまして、イタリアからオランダ、オランダからデンマークというふうに、建物の様式が南から来ていることが分かります。「星形要塞」とネットで調べると、検索結果がいっぱい出てきます。コペンハーゲンのカステレットは函館の五稜郭に似ています。オランダのフローニンゲンのブルタングは、星形が二重三重になっています。その他ヴィレムスタットやナールデンという要塞都市がオランダにあり、星形要塞が1600年代に本当にたくさん作られたことがわかります。コペンハーゲンに残る要塞にある建物はいまだに軍事施設として使われています。いろんな都市をみますと、1600年代に作られた要塞は17世紀そして18世紀に要塞として使われた後、いまは全く変わって要塞的な機能は失っているところが多いのですが、デンマーク・コペンハーゲンにおいては軍事施設として特別な扱いになっています。この要塞の近くに観光名所として有名なリトルマーメイド像があります。さらに北側に行くとこの現代アーティストが作ったリトルマーメイドが居るんです。なので、今度行かれたときに二つ見るといいと思います。クリスチャニアはとても緑が多くてすごく環境がいい場所です。街の中心部にも近いです。「クリスチャンズハウン」といわれている、クリスチャン4世が「クリスチャンのハーバー」という意味で作ったオランダ型の街が広がり、そこに「クリスチャニア」という自治区が作られました。1971年にヒッピーたちが集まり、この場所を占拠してしまいました。もともと海軍が使っていた建物や場所をヒッピーたちが占領し、自治区としました。ここでは税制をはじめ、いろいろものがクリスチャニア内だけでまかり通っているエリアです。2004年ぐらいまでは大麻が合法的に認められていたりして、地元の一部の人は「あそこは怖いから行かないほうがいい」と言うんですが、行ってみるとそんなに怖くはありません。メインのゲートがあり、そこからがクリスチャニアであってコペンハーゲンとは違うエリアであることを示しています。ここには幼稚園があったり、農園があったり、一応基本的に自給自足の生活ができるようなシステムができています。人口が今どれくらいなのか正確には分かりませんが、およそ200人ぐらい住んでいるといわれています。