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94せたり、ロッテルダムの事例では水上タクシーを巡らせて、その桟橋をアイキャッチ的にデザインをして街のアイデンティティとして残していくみたいな事例もあります。アムステルダムでは、5年おきに開催している「セイル(SAIL)」という船のお祭りがあります。水上に大小問わずたくさんの船を出してお祭りをするということを5年おきにやっています。次は2015年8月に開催されます。最後に、先ほどのアイブルグ地区や港湾地区の開発のほかにも新しい水辺の開発が進んでいまして、水辺に特徴的なデザインをもつ文化施設が立ち並ぶようになっています。たとえばフィルムミュージアムや図書館が作られました。クリエイティビティな空間も水辺につくられることによって、水辺にどんどん人が集まることができるような空間が生まれるということも含め、こうしてずっと見ていきますと、水との付き合い方が本当に無意識に市民のなかに入っているんじゃないかなと思います。______コペンハーゲン(和田菜穂子) コペンハーゲンのお話をさせていただきたいと思います。先ほどアムステルダムの都市の名前の由来がありましたが。アムステル川にダムをつくったところからきている、という説明でしたね。それではコペンハーゲンの名前の由来が分かる方、いらっしゃいますか?ちなみに「コペンハーゲン」は英語です。デンマーク語で言うと「クーベンハウン」と言い、「クーベン」と「ハウン」に分かれます。「ハウン」というのは「ハーバー」で港という意味。「クーベン」は何だと思います?答えは「売買する」です。つまり「クーベンハウン(コペンハーゲン)」は「貿易の港」という意味なんです。私もアムステルダムに何回か行ったことがありますが、すごくコペンハーゲンと共通点があると思います。まず人々がしゃべってる言語がすごく似ているんです。デンマーク語はドイツ語によく似ていますが、少しこもっていて、なまってるみたいな、モゴモゴしているところが、オランダ語と共通していると思いました。街の景観については、水辺との関係性がすごく似ています。それから人々の暮らしや文化も似ています。オランダ、特にアムステルダムといいますと、よくも悪くも、フリーな暮らしとして、ソフトドラッグや売春、飾り窓などが取り上げられることが多いですが、実はコペンハーゲンでもソフトドラッグがオーケーなエリアがあったり、同性愛者に対しても寛容だったりという文化が見られ、割とアムステルダムとの共通点がみられます。私は近代建築の専門なので都市空間についてはそれほど詳しくはないんですが、いろいろ写真を集めてきましたので、今回のレクチャーでは写真を見ながらアムステルダムとコペンハーゲンを比較していきたいと思います。 オランダやドイツの面積と比べますとデンマークはかなり小さな面積の国です。さらにデンマークにはたくさんの小さな島が500ぐらいあって、島によって形成されています。コペンハーゲンはデンマークの首都ですが、ドイツと陸続きではなくてシェラン島という島にあり、かなりスウェーデン寄りにあります。今のコペンハーゲンの中心地の地図を見ても、アムステルダムとかなり共通の部分が見受けられます。航空写真で見ても水路が大きくあり、そこを観光船が行き交っています。街と水路がかなり近いというのは共通点だと思います。コペンハーゲンに行ったことがある方はいらっしゃいますか?一番の観光スポットに「ニューハウン」があげられます。「ニューハウン」は日本語でいえば「新しい港」という意味です。ここから観光船が出発し、クリスマスのシーズンになると、クリスマスマーケットが開かれ賑わいます。歴史の話をしましょう。1600年代にクリスチャン4世というデンマークの王様がいて、歴代の王様の中でかなり大規模な都市開発をしました。そのときにオランダから都市計画家を招いて、オランダ型の都市計画を導入し、「クリスチャンズハウン」という街をつくり、水路や要塞を作りました。そのときにオランダのルネサンス様式の建築も幾つか建てられまして、そのひとつが旧証券取引所と呼ばれている建物です。昔は証券なんてなかったのでまさしくそこで物を売買といいますか、取引をしていた場所ということです。オランダの建築家が主導でこの建物を建てました。次の王様はフレデリクス5世といいまして、フランス様式の建物を作りました。中央に広場をバーンと作り、その中央に噴水を設け、四隅にその王様と家族が暮らすが建物を建てました。教会もフランス型のものを採用しました。20世紀になりますと今度はドイツ型の都市計画を採用し、交通を重視した都市を形成しました。その後コペンハーゲンはどんどん人口が増え続け、それに伴い車もどんどん増えていきましたが、今度は車を排除しようという動きが出てきました。今「ストロイエ」といわれている観光客が必ずショッピングに行く所では、自動車を排除して歩行者専用道路を作りました。年代を追うごとに車を排除するエリアがどんどん拡大されていきます。車を排除した分、その代わりに自転車を導入しようということも、恐らくアムステルダム型の都市計画を採用してるんじゃないかなと思います。どちらも共通してフラットな土地だから可能なわけです。つまり高低差がないんです。実は私は今年の4月に山形から東京に戻り、デンマーク流の暮らしをしようと東京で新しく自転車を購入しました。でも東京は本当に坂が多く、自転車をこぐのがつらいんです。デンマークに住んでいたときはどこへ行くのにも自転車で出かけていました。自転車専用道路というのがありまして、車と歩行者と自転車がちゃんと住み分けられ整備されています。東京だと車道を走っていると怖くて怖くて・・。歩道を走っていても歩行者を追い越すのが結構大変なんです。そういった意味でコペンハーゲンは東京と全然道路の構造が異なっています。2000年をすぎて今は自転車のほうが車よりも多いことになっています。その分やはり、自転車においては今、パーキングの問題が出てきています。先日デンマークの友人が来日し、「自転車を貸してほしい」と頼まれたのですが、レンタルシステムが日本にはあんまりないことがわかりました。貸せるとしても1日単位で貸し出し、毎日決まった時間に返却しなければいけません。デンマークでは1週間単位で貸すシステムがあり、「なんで日本にないのか」と言われて