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89クトリーが楽しみです。実はこのオープンファクトリーは、YCCスクールの野原先生が手掛けていらっしゃる大田区での取組のスキームを頂戴して取組ました。リーフレットにも「大田オープンファクトリーを参考としています」と掲載しています。このような取組は、もしかすると横浜と大田区のネットワークに成長するかもしれないと思っています。歴史的建造物や自然など、資源がある地域ではそれらを生かせますが、歴史建造物を失ってしまったり、ビルやマンションが並ぶ街での魅力はどうやってみつければいいか、魅力がない場合はどのような方法があるのでしょうか。小田嶋どんな街にも魅力は必ずあると思うんです。「うちの地域には何もないんですよ」とおっしゃる地域もあります。けれども、その地域を調べてみると、実は関東大震災のがれきを用いた刑務所の塀があったりもしました。何かを調べれば必ずあると思うのです。その地域のお年寄りのお話などからも、まちづくりのヒントが必ずあると思います。そのような思い入れや思い出の再編集などといった、コミュニティのなかに未来の地域の姿が見えて、その地域の課題をも魅力になる可能性があるかもしれません。普通のマンションが並んでいるだけ・・・ということが課題であれば、その課題をみんなで考えてみる・・・。街のことを考えると、色々な問題がみえてきます。子育てや介護などの課題にもつながっていくとも思いますし、これらを解いていくことが、未来のまちづくりにつながるのではないでしょうか。そのようなところにも、アーバンデザインの役割があると思っています。魅力は探すと出てきますし、つくりだしてもいいのではないでしょうか。国吉「横浜は魅力的な都市ですね」と言われますが、横浜の40年前は今とは比べられない状態でした。横浜に残る歴史的建造物は、例えば赤レンガ倉庫など明治時代の建物を上級とすると、横浜は関東大震災以降の建物が殆どですので、40年前の建築学会などでは評価されにくいいわば中級以下の建物ばかりでした。当時、私たちは「文化財がないのなら、新たに文化をつくっていけばいいじゃないか」と、横浜ならではの文化・まちづくりを考え、「横浜ができること」を念頭に努力にしました。地域の物語性につなげ、話題性を演出をしたり、それらをつなげて街全体を見せることを大切にしました。 現代都市には多様な人の価値が混在していますので、多様な価値も受け入れた柔軟な対応と地域の人たちの思いをつなげるようなデザイン・工夫によって、独自の価値や魅力をつくれると思うのです。一番大事なことは、その取組を継続させ発展させることです。わずかな上級の建物だけを残すのではなく、中級やそれ以下のものも大切にし、つなげていくと、街の価値と魅力になると思うのです。だから、際立って上等なものではなくても、街のなかをつなげていくことで、街の個性が生きてくるのではないでしょうか。しかし市長が交代したり社会情勢が変わると考え方も変化し、それまでの活動が消えてしまいかねません。横浜は幸運なことに活動を継続的に続けてこられました。地域の方々の後押しもいただき、その積み重ねで、都市、街を重ねてきました。この積み重ねは次の時代の人たちへもつないでいきたいと思っています。栄区では地域の魅力を引き出そうと「いたち川クラブ」という活動があり、いたち川プロムナードが誕生しましたが、さらに発展させ、地域の色彩を整えたり、屋外彫刻の設置なども仕掛けました。この活動がきっかけで、人のつながりも育っていきました。ソフト・ハードの両方が連鎖し合うような関係を組んでいくことや、それらを継続させることで、地域の魅力がさらに発展し、時代に合った地域がつくられていくと思います。そのなかで行政は、どのように継続的に活動に関わっていくことができるのかが課題だと思います。この連続講座では中国からの留学生が多く、彼らの出身の街についてお話をいただきました。そのなかで、中国も建物が高層化していて、各地の特色がなくなってきているという意見もありました。どの街も同じようになってしまうことを、私も危惧しています。学生のみなさんには、都市の魅力を生かす、発展させる都市デザインをがんばってほしいと思っています。横浜はインフラ整備等の最初の基盤整備が整い、今の横浜は文化的・ソフトを取り組む段階に入っていると思います。中国では今まさにインフラ整備や基盤整備を整えているところです。今の段階の中国では、都市の文化・歴史・特徴を見据えてどのように地域の開発に取り組むべきでしょうか。国吉横浜は戦後の復興が遅れました。他の地域では復興する中で、その街らしさを失う地域もありました。他の都市はわずか10年間で復興・成長するなかで地域らしさを失ってしまった状況を横浜は見ていました。横浜は、横浜らしさを失いたくないと思い、都市の魅力をつくっていこうと、挑んだのです。横浜にできる新しい工夫をしたのです。みなさんは、横浜を勉強したのですから横浜が取り組んだ活動を、みなさんなりに掴んでください。中国の全てが上海と同じでいいわけではありません。日本の都市が高度成長期に失ってしまった点を考えて、地域がもつ個性や大事な思いを理解して下さい。個々の質を大事にしないと、お互いを失わせてしまいます。「歴史を生かしたまちづくり」では横浜ならではの方法を用いています。高層ビルが並ぶ「みなとみらい」は「未来の中に歴史が息づく都市・横浜」の形をつくろうと取り組んだ結果です。挑んでいかなければ特色はつくられません。みなとみらいは、地権者や企業と一緒になり、理解も得て、工夫していった結果が今の姿にあります。ですから自分たちの街の指針をもって進めることで答えが見えてくるのではないでしょうか。小田嶋先輩方の取組のなかでも特に学ぶべき一つが、「マスタープランの美しさ」です。ビジュアルも、わかりやすい。一般の市民も、学生も、街のお母さんも、そのマスタープランをみることで、これから横浜が魅力的になる期待をもったと思います。このような期待感も市民の自信になると思います。マスタープランの美しさと言えば、「みなとみらい21のマスター