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活動報告書

80ヨーロピアンヘリテイジデイズは1984年にフランスで始まり、普段は入れない歴史的な建物が市民に公開されるものです。このような取組を通じて建物や地域を大切に守っていこうという目的です。一般的には歴史的を含めて、何かを守ろうとすればするほど市民から離れてしまい、本物を持とうとすればするほどそれらを守るために市民から離してしまい、そして市民に伝わらなくなってしまう傾向がみられます。そのような貴重であり、しかも市民のその価値に対する理解を高めさせるため、建物を一日公開し、建物を守り、価値を理解し、意識を高めていくためイベントが開催されています。基本的には歴史的な遺産資産を、どのように守っていくのかという保護する観点のイベントです。ヨーロピアンヘリテイジデイズの特徴は、ヨーロッパ全土で開催されていることです。ヨーロッパには欧州協議会という、国家を超えてヨーロッパを一つとしてとらえようと団体の活動があり、国や地域を主体にヨーロッパ全体で取り組まれています。ヨーロッパでは50か国くらいで取り組んでいます。9月にヨーロッパへ行くと、どの町に行ってもヨーロッパヘリテイジをやっています。ブリュッセルの欧州協議会では遺産の絵があり、ヨーロッパヘリテイジデイズのサインになっています。ヨーロッパの文化を一同にみせるものなので、地域などの単体というよりも大きな源流の取り組みです。1984年にフランスで文化大臣が発案し、ヨーロッパ全体での国際的な文化遺産会議の開催が提言されました。翌年にはオランダやデンマークなどへもひろがり、その後、1991年にヨーロッパ全体まで広がって、この取組を欧州協議会が中心になって仕切ることになりました。10年ほどの活動を通じて、今にいたるそうです。源流を含めますと25年ほど活動されています。ですからヨーロッパ全体を統括し、各地へコーディネーターを派遣する方法を用いています。また各地の規模も首都圏ほどの大きな単位であって、行政や外部委員会を通じて建物の選定などを依頼して、公開するというイベントです。公開日にはツアー専門の方々がいて、彼らがツアーガイドをしてくれます。私が訪問したパリでは、パリ都市圏でヨーロピアンヘリテイジデイズがおこなわれ、300ほどの施設が公開されていました。パリの市庁舎の公開では見学者が行列をつくって並んでいました。普段は入れない市庁舎で、中に入ると立派な空間がつづき、さらには市議会も見学できました。ですから市民にとって市議会が近い存在にもなり、そのような点からも行政と市民の距離を近づける面白い取り組みであると思いました。他にも、市庁舎ではタイル職人が自分の仕事を紹介していて、日々のメンテナンスなどをお話され、いかに毎日の積み重ねによって歴史が守られているか、ということが理解できる取組となっています。またリオンの駅の時計塔では、「フレックスタワー」という軸線の上に時計塔があるという説明を受けたり、駅のフレスコ画には駅からつながる各々の街の様子が描かれていることなどのお話を伺えるイベントとなっていました。他にも普通の家の中庭から築300年ほどの建物までNPO がガイドツアーをし、市民は公開された建物を学ぶことができるというものです。ブリュッセルも市内で30施設、首都圏で80もの施設が公開されていました。建物などの説明が書かれています。ブリュッセルの取組では毎年テーマが設定され、今回は構造の美というテーマで、おもしろい柱などの興味深い構造の建物が集約され、各々を見学できるというものでした。中にはアールヌーボー風の建物や、学校建築も公開されていました。ここで注目すべきことは、どのガイドツアーでも、その建物がなぜここにあるのかということの説明もされました。その説明には、この学校が建設された背景にはブリュッセルのメイン通りが川を埋め立ててでき、その通りにふさわしい建物としては光がふりそそぐような学校ではないか、ということでこの学校が建てられたというお話でした。これらのように紹介される建物の多くが歴史的建物で、もともと公共性を有するような建物です。視点としては歴史を重んじているようにみえます。市民生活とデザインロンドンのオープンヘリテイジでは700施設くらいが同時に公開されています。この活動はビクトリア・ソントン氏という女性が立ち上げました。活動の目的は、建築やデザインの質が都市生活の中でいかに大きな影響を与えているか、地域のデザインを市民に再考させるための取り組みということです。文化財の保護や地域の活性化を目的にしているわけではなく、デザインや建築がいかに自分の生活に関係しているかということをうったえるため取り組まれています。魅力的な700施設を公開し、にぎわいをみせています。ということで観光を目標にしてはいませんが、結果的に25万人もの人が二日間で集まっています。オープンハウスではパンフレットが有料で街中で販売されて、皆これを手にして街をまわっています。有名なオフィスビルから一般的な住宅まで、あらゆる用途、年代の建物が一斉に紹介されています。700のうち、一般住宅が90ほどです。なかでも教会が多く、次いで教育施設が目立ちます。他にも建築家のオフィスなども公開され、ノーマンフォスターの設計事務所も公開されていました。ノーマンフォスターの事務所はテムズ川の北側にあり、川に面する壁面は全面ガラス張りとなっていました。ソントン氏は、オープンハウスロンドンは「気づき」であって、イギリスの建築の過去と今が公共という言葉を用いて年に一回のイベントである、と説明しています。ですからこの取組について彼女は教育や地域の魅力の発掘、またそれらを支えていくための取り組みである、というものなのです。現在のオープンハウスロンドンの取り組みは、イベントの他、教育などのプログラム、議員への教育などの多くの取り組みを手掛けています。またオープンシティという組織になっています。このメンバーは10名のうち、オープンハウスロンドンの専属スタッフは2名程です。ただし小さな行政区からは資金援助や民間支援を受けていますし、民間スポンサーもついています。もっとも、オープンハウスロンドンを支えているのはボランティアが全体で6000人、そのうちリピータなどの経験者が600名もいるそうです。公開される建物は700棟ほどで、公開する建物はソントン氏が選抜しています。市民が市民へ案内するここで一番大事なことは市民の積極的な参加体制です。25万人の