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活動報告書

118水辺の未来を考えるレクチャーシリーズ初めまして。東京スリバチ学会の皆川と申します。どうもよろしくお願い致します。今日はお招きいただきましてどうもありがとうございました。「東京スリバチ学会」を名乗っていますが、私は実は東京の人間ではなく、北関東の群馬県から就職で上京する際、群馬の田舎もんが東京に出てくるといろいろばかにされるんじゃないかということで、東京を知ろうと、ただひたすらに歩いてみたのですね。そして、なんでこんなに坂が多いんだ!という感想を持ちました。自分が生まれ育った前橋市は関東平野の端に位置し、割と平らなんですよ。東京の坂道を巡るうちに、東京の地形って不思議な形をしているし、そこにつくられている東京の街はとてもユニークなことになっているぞ、ということで、学会と称して町歩きと記録を続けています。きょうは「スリバチは海へのプロローグ」ということで、水辺のレクチャーをしなさいというお題目なのですが、スリバチ地形とはそもそも水が作ったものですから、話の中で水につながってゆくと楽観しています(笑)。でもこのレクチャーから、新しい水辺の見方や気付かなかった水の魅力、そして水をテーマとした将来的な展望や考えを深めるきっかけになってくれたら嬉しいです。きょうはまずスリバチの魅力から始め、『東京の凸凹地形について』、『谷間の町の魅力とは?』、『凸凹地形が紡いだ江戸東京の歴史』という項目順でお話して『スリバチ地形はなぜ生まれたか?』と、ちょっと地学的な話もします。その後に「横浜の凸凹地形を楽しむ」というタイトルで、地形の話と、それから下末吉と山手のスリバチを紹介したいと思います。「『スリバチ』ってなんのことか全然分からないよ」という方、いらっしゃいますかね。一応地形的な谷間や窪地のことを言っているというのは、皆さん分かっているということでよろしいでしょうかね(笑)。 東京スリバチ学会とは?まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。「東京スリバチ学会とは?」ということですが、東京の町は地形の高低差に応じて独特な発展をしているな、という個人的な驚きがベースにあって、フィールドワークを主な活動として都市の観察を行っています。地理や地学的な観察に留まらず、都市の成り立ちとか個性、そんな総体的な全体像に興味があって、観察と記録を続けています。「学会」とは名ばかりで、特に研究発表をしているわけでもなく、会員規定も何もない、ゆるい集まりに過ぎません。これは『カシミール3D』というアプリケーションを使って、国土地理院が公開している「5mメッシュ標高データ」を陰影段彩図にしたものです。東京の地形は大きく台地と低地に分かれますが、西側の茶色い部分が山の手台地で、武蔵野台地と呼ばれる洪積台地の先端の部分ですね。一方、東側の青い部分は下町低地と言っている、標高にするとせいぜい3メーターぐらいの低平な土地です。こんなふうに台地と低地にまたがる都市というのは日本中にたくさんあります。横浜ももちろんそうですし、名古屋、大阪、仙台なんかも同じ立地特性です。武蔵野台地と下町低地にまたがる都市が東京ですが、ここでは台地の上で営まれている町について取り上げてゆきます。東京では「谷」がつく地名が非常に多いことにお気づきでしょうか。「四谷」「渋谷」「市ヶ谷」「千駄ヶ谷」などがすぐに思い当りますね。そのほかにも「茗荷谷」「谷中」などがそうですね。それから「水」にまつわる地名も多いですよね。「池袋」「池尻」、それから「奥沢」や「深沢」だってそうだし、「下北沢」もそうですよね。それから、「大久保」という地名は、実は大きな窪地が語源ではないかとも言われています。山の手と呼ばれる東京の都心部は、坂道が多いことで知られていますが、多くの坂が下りては上る、谷越えの坂の場合が多い。ですので、東京を語る場合に「谷」を取り上げてみると、東京を理解するスリバチは海へのプロローグ日程  2015年1月28日(水)話し手 皆川典久(東京スリバチ学会会長)場所  3階スペース平成26年度