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107ゆる大阪といえば思い浮かべていただける景色、グリコの看板、道頓堀、造幣局の桜の通り抜けというのが有名です。川沿いの桜はソメイヨシノでして、造幣局よりもちょっと開花が早く、4月初めに咲きます。ラバーダックも多分有名ですね。作家はオランダ人のホフマンさんでして、年に1回は大阪に来て水辺に現れます。このようにどちらかというとテーマパーク的、お祭り的な景色を大阪は好みます。その他には、水晶橋という昭和4年につくられた橋はもともと可動堰だった面白い橋でして、水に映り込んで眼鏡のように見えます。1926年竣工の旧大林組本社ビルは、いまフレンチレストランとして使われています。ほかにも、今の商船三井の本社ビルだった旧ダイビルですが、非常に建築的に価値が高く、村野藤吾氏などが製図主任に入っている建物でして、一度取り壊されてしまったんです。しかし、壁面再生といって、全て手で外して洗い直して超高層ビルを建てた足元の部分に再現されています。あとは、大正7年の中央公会堂も船から見えます。先ほど松下さんもおっしゃっていた、「大大阪」と呼ばれた時代、船もまだ活況を呈し、川から見た方が街がきれいに見えるよう考えられていました。当時は車よりも船のほうが数が多かったのです。船は物流のメインでしたので、そういうのに対してアピールしてきた時代の景色というのも勿論あります。このあたりは、いつ来ていただいても案内することができます。「ここに連れてってほしい」と言っていただいたら船を回すことができます。でも、「日常の先」といいますか、その日行ってみないとどうなるか分からないという景色がありまして、やっぱりクルーズは面白いです。夕焼けや青空は毎日同じことはないからです。東横堀川という秀吉が大阪城の防衛のために掘ったお堀の上に高速道路が架かってまして、その光景を「エレベーターの穴を上から見たみたい」とか「ブレードランナーみたいだね」など、色々な感想を言う方がいらっしゃいます。高速道路やジャンクション萌えの方いらっしゃいますでしょうか、大阪港近くにある天保山ジャンクションの眺めも見ることができます。こうした眺めは好き嫌いがあると思います。御舟かもめにも土木クルーズというコースがあり、これを面白いと思う方、思わない方と分かれるコースを1つ設けておくのはどうなのかな、と思いながらやっていますが、お客さまに来ていただいています。やはり、見せるために作られていたり、来てもらおうとか少し作為が入っているようなところは、そのまま素が出るので魅力的です。この前、大阪のあるお店のかたとクルーズを一緒にやらないかという相談をしていたときに話していたことで、「制服姿の同級生をクラスで眺めていて、あるとき街で私服を着たその子に出会ってドキッとする」みたいな、そんな感覚に似ている。私はそういう人間ですので、わかってもらえますかね、、。 さらに、マニアックな風景ですと一期一会といいますか、最近見ることができないですが愛知県名古屋市の日本車輌で作られたN700系の新幹線を新大阪に運ぶため、海路で運んで水辺の車庫に陸揚げする場面にも出遭えます。御舟かもめを始めてから5年たちますが3回見ました。お客さまが乗り合わせていた際はそのうち2回です。それから、砂糖の原料を運んでいる船も見られます。水辺にある砂糖工場へ運ぶ船とすれ違うときに甘いにおいがします。そのほかには、もともと東京港湾局の船だった「雲取」というバケット式(土砂等を入れるバケツのようなもの)の浚渫船が浚渫をする場面を見ることができます。船にたくさん付いているバケツを海の中に突っ込み、泥を引き上げる作業をします。この船は引退した後大阪に来て、さらに海外に売られたか解体されたらしく、今はもう見ることができません。やっぱりこういう場面は行ってみないと見ることができるかどうかわからない、ということも含めて、大阪だけでなく横浜にも絶対に川の眺めがあると思います。大きな船が入ってきたとき、その船を迎えるためのハレの状態になるでしょうし、そうじゃない日常の魅力もあると思います。だいたい2時間あれば、市内の色々な種類の景色をぐるっと見て回ることができます。そういう多様さがやはり都心のクルーズの面白いところではないかなと思います。先ほどの中之島GATE においても実は大事な話があって、大阪の都心部を流れる川に架かる橋は人が歩く橋でもありますので低い橋が多いんです。ですので、都心部の川には小さな船でしか入ることができず、大型客船やタンカー、クルーザー等の大きな船は都心部まで入ることができません。いっぽうで横浜は、都心部と海が近い距離にありますので、いろいろなサイズの船がかなり町の中心部に近いところまで入り込むことができます。このことはかなり大事な景色の差を生んでまして、私たちはそれで苦労する部分もあります。潮の満ち引きで船が通れなかったりという難しさももちろんありますが、そのことが町ごとの差が出てくるので面白いです。東京のようにやりたい、横浜のようにやりたい、と思っても、大阪ではできないことがあります。逆にいえば大阪のようにやりたいと思っても、おそらく東京や横浜ではできないことがあると思います。これが結構みそかなという感じがしています。川をめぐる基礎知識~潮位・生き物・決まりごと~中野先ほど潮位の話をしましたが、気象庁が出している潮位表をいじって、御舟かもめが通れる時間帯を赤くして自分の手元資料として持っています。「この時間帯は潮が高いからくぐれないな」「この時間だったらくぐれるな」という運行計画を立ててます。予報潮位よりも20センチとか15センチとか簡単に上がってしまうことがあります。潮位によっては簡単に閉じ込められる場合もあります。いまの潮位がどれぐらいかをネットで調べて表を見なくても、護岸壁のタイルの枚数を数えて「あの橋はくぐれるな」という計算をしながら行かないと、お客さんを迎えに行けなかったりする恐ろしい場合があります。でも、こういう自然を向き合っていくという面白さがやはりありまして、中央公会堂すぐそばにはアカミミガメ、クロベンケイガニが結構いたり、アユが遡上してきたりします。ウナギ釣りをやっている方がたくさんいらっしゃいます。関西では「チヌ」と呼ばれるク